LNTで考えるWEA的ジャッジメント

吉田理史(株式会社信州アウトドアプロジェクト/LNTJ理事)

みなさん、LNTを理解することによって、これってやっていいの?悪いの?と判断に迷ったり、LNT的にはよくないことはわかっているけど、やらざるを得ないような状況って遭遇してことありませんか?LNTはルールではないので、最終的にはアウトドアユーザーの倫理と状況に応じた判断が必要です。

ジャッジメントは、WEA6+1カリキュラムで、+1に位置づくスキルであり、6コアスキル(野外生活技術、遠征計画、リーダーシップ、リスクマネジメント、環境スキル、教育)を効果的に活用するための最上位の野外指導スキルに位置付けられています。

WEAカリキュラムでは、さまざまな判断、意思決定モデルに基づき、コース中に判断力について磨きをかけます。その代表的なモデルとして、判断の選択肢(オプション)と、判断のための基準(クライテリア)から、最適解を導き出す、「意思決定マトリクス」というモデルがあります。コース中では、リスクマネジメントの観点で、用いられることが多いのですが、今回はこれをLNTでの判断についてみなさんと考えたいと思います。

ワークショップでは、まずリスクに関するシナリオを用いて「意思決定マトリクス」の使い方を理解します。次にLNTに関するシナリオをもとに、小グループでどのような判断をするかワークを行います。判断のオプションとクライテリアは、個人や集団の経験、能力、社会的ポジションによって異なりますので、そのグループならではの説得力のある判断ができることを期待します。

ワークショップの成果
・WEA意思決定マトリクスを理解し運用できるようになる。
・環境配慮、リスク、教育のバランスが取れた判断ができるようになる。
・社会的な立場の違いにより、さまざまな判断基準があることを理解する。